質問16就職が決まって、担当の方とメールでやり取りをする機会が増えました。ふだんからメールを使うことが少なく、どんなことに気を付ければいいのか本当に困っています。社会人になる前に身につけておくべきことは何でしょうか。今から不安でなりません。
 

花井美代子講師からの回答

まずは、内定おめでとうございます。今は期待と不安が入り混じった状況でしょうね。内定式についてのやり取りや、内定者研修、課題など人事担当者とメールでやり取りをする機会も多いのではありませんか。
「これでいいのかな」とドキドキしながら1通のメールを作成するのに30分も1時間も画面と「にらめっこ」していたりしませんか。にらめっこして、良いメールが書ければいいのですが、「どうすればよいか」を知らなければどれだけ時間をかけても、書くことはできません。では、どんなところに気を付けるべきなのでしょうか。新卒で内定が決まった方は、まず「パソコンのメール」と「スマホや携帯電話のメール」の違いを認識しましょう。
メールを受け取る人事担当者は、パソコンの画面でメールを見ることが一般的です。あなたが、スマートフォンや携帯電話同士でメールをやり取りしているつもりで送ってしまうと、相手は「読みづらい」「分かりにくい」「失礼だ」と感じてしまう可能性があります。違いを知り、ビジネスパーソンにふさわしいメールのマナーを身につけましょう。

1.件名を付ける

友だち同士のスマホ・携帯のメールでは、件名に気を使うことは少ないでしょう。しかし、ビジネスメールでは重要なポイントの一つです。受信者のメールボックスには、たくさんの仕事のメールとともに、内定者であるあなたからのメールが混ざっているという状況です。「急いで読んでほしい」のか「確認してもらうだけで良い」のか分かるような件名が付けてあると、担当者は喜んでくれるはずです。例えば、『資料が郵便で送られてきた』というケースを考えてみましょう。「届いたな~」で放っておいてはいけません。相手は「ちゃんと届いているか。確認しているか」を知りたいのです。とはいえ、「書類を受け取りました。ありがとうございます」と、わざわざ電話をして忙しい相手の時間を奪う必要もありません。一通メールを送るだけで十分なのです。あなたが『「入社準備資料」拝受のご連絡』という件名のメールを送れば、受信者は「こちらから送った入社準備資料が届いたという連絡だな」ということが分かります。この件名であれば、急いでメールを見る必要はないということも理解できます。
他にも、レポートを作成し提出するのであれば、『○○レポートのご送付』『○月×日課題レポートのご提出』という件名だとわかりやすいですね。何かを添付して送るのが目的であれば『~のご送付』、メール本文の中で何かをお伝えするのであれば『~のご連絡』、何か相談事があるのであれば『~のご相談』というように、件名を一所懸命読むのではなく、サラッと見ればメールの内容が想像できる、そんな件名を工夫して作成しましょう。

2.差出人名を設定する

あなたは、相手のメールボックスで自分のメールがどのように表示されるか、理解しているでしょうか。差出人名が表示されていない場合、人事担当者は誰が送ったメールか分からず困ってしまう可能性があります。パソコンで使うメールはもちろん、スマホや携帯電話のメールも、差出人名を分かりやすく設定するとよいですね。
例えば、佐藤太郎さんを『TARO SATO』とローマ字表記した場合を考えてみましょう。日本人に最も多い名字が「佐藤さん」です。つまり、受け手から考えると「どちらのSATOさんかしら?」となる可能性があるのです。設定が可能であれば日本語表記し学校名などを入れておくと、パッと見て個人が特定できるため、受信者側は非常に助かるわけです。
例えば『佐藤太郎(○×工業大学)』という形です。ただし、メールの差出人名は毎回設定をし直すものではありませんので、他の方とのやり取りを考えたときに「学校名を表示させたくない」という事であれば、件名を書く際に、『内定者研修 参加可能日程のご連絡(佐藤太郎:○×工業大学)』というように、メールの件名の後にカッコ書きで書き添えると良いでしょう。受信者が、メールフォルダをチェックして、実際にメールを開く前に「どこの誰から」「何についてのメール」が分かるよう配慮ができると素晴らしいですね。

3.宛名を書く

メール本文の中に宛名を書くことも重要です。友だち同士のメッセージやスマホのメールでは、宛名を書く必要はないかもしれません。しかしビジネスメールの場合は、宛名がしっかりと書かれていると丁寧でフォーマルな印象を与えることができます。「自分はスマホからメールを送るから必要ないだろう」と思うかもしれませんが、たったこれだけのことで、相手にプラスの印象を与えられるのですから、実行しなければもったいない気がしませんか。

○○商事株式会社・・・・・・・・・(会社名)
人事部 採用課長・・・・・・・・(所属先)(役職・肩書き)
田中一郎様・・・・・・・・・・・(お名前)(敬称)

というように、会社名、所属先、役職(肩書き)、お名前+敬称、このような書き方が正式で最も丁寧です。実際に社会人となり業務を始め、いつもメールのやり取りをする方が相手であれば、所属部署や役職を省略しても構いませんが、今の段階では正式に書くほうが印象は良いでしょう。

4.書き出し

メールの書き出しは、「あいさつ+名乗り」が大切です。『こんにちは。○×工業大学の佐藤太郎です』『お世話になります。○×工業大学の佐藤です』と、自分がどこの誰であるかがはっきりわかるようにメールを書き始めます。入社前ですので、学校名とフルネームを書くとわかりやすいでしょう。内定者にとって、人事担当者は将来の先輩です。何度も会ったり、メールのやり取りをすると、友達のような気安さを感じることもあるかもしれません。しかし、親しみやすさと馴れ馴れしさを勘違いしないように注意が必要です。丁寧で分かりやすいメールを意識して書くことを心がけ、社会人としてスムーズなスタートができるように準備を進めていけると良いですね。

 

回答担当講師

ビジネスメールコミュニケーション講座(ベーシック編)

一般社団法人日本ビジネスメール協会認定講師 花井美代子
三重県出身。日本福祉大学卒業。2007年10月から2014年3月まで医療系サービス会社の取締役として人事、社員教育に携わる。社員、クライアント、取引業者。いろいろな立場の方とメールのやり取りをする中で、たった1通のメールが“知識の豊富さ”や“素晴らしい人柄”を簡単に壊してしまうことがあると痛感し、一般社団法人日本ビジネスメール協会認定講師資格を取得。医療業界における人事・社員教育の経験を活かした、ビジネスメールの指導が得意。マナー講師としての講演実績も多数。